韓国のチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームは25日、内乱首謀者容疑で一審無期懲役を言い渡された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領について、判決を不服として控訴した。
これにより、事件はソウル高裁の内乱専担裁判部で審理されることになる。尹前大統領側もすでに控訴状を提出しており、事実上の全面対決が控訴審で繰り広げられる見通しだ。
特検は「事実誤認と法理誤解があり、量刑も不当だ」と主張している。一審では無期懲役が言い渡されたが、特検は死刑を求刑していた。量刑の大幅な差が、今回の控訴の大きな理由とみられる。
最大の争点は、尹前大統領が戒厳を決意した時期だ。特検側は2023年10月頃から戒厳に関する謀議が始まり、翌年3月には「非常大権」に言及するなど、宣言の約1年前から準備が進められていたと主張している。
その根拠として提示されたのが、ノ・サンウォン元情報司令官の手帳メモだ。しかし一審は、この手帳について「戒厳計画の過程で作成されたと断定しがたい」として信憑性を否定した。
さらに一審は、尹前大統領が戒厳を決意したのは宣言の2日前である2024年12月1日だと判断し、特検の主張を退けた。この点は控訴審で再び激しく争われることになる。
また、内乱共犯の成立基準も焦点となる。一審は「国憲を乱す目的の認識と共有」が必要だとする厳しい基準を示し、一部被告に無罪を言い渡した。
特検はこの判断についても不服を示し、共犯成立の法理解釈そのものを控訴審で争う構えだ。他の被告についても、求刑より軽い量刑や無罪判決に対してすべて控訴した。
控訴審では、事実認定、証拠の信憑性、法理の適用、そして量刑の妥当性が改めて全面的に検証される。韓国政治史に大きな影響を与える裁判は、新たな局面に入った。